2020年度KDDI業務品質向上活動（以下LCOP*）において当社の4件の取組みが「奨励賞」を受賞しました。この制度は、KDDIグループ全企業を対象とした、業務品質を継続的に向上させていくことに対する意識が高い優秀な取組みを称賛するもので、2020年度で12回目の開催となります。9,000件近くのエントリーのなかから、71件が受賞し、KDDIエボルバでは以下4つの活動が奨励賞を受賞しました。
- LCOP=Low-cost operationの略
＜2020年度 KDDI 業務品質向上活動（LCOP）当社受賞取組み一覧＞
受賞した活動のなかから、今回は企業のコアビジネスをエンジニアの技術力で支援するITソリューション事業（ITS事業）部門が獲得した「KDDIサービスコントロールセンター（以下、SCC）クラウドデスク運用移管における取組み」にフォーカスし、プロジェクトを遂行した現場エンジニアたちにインタビューを実施。KDDIエボルバのエンジニアが日々取組む業務品質向上の活動やそのマインドについてお話を伺いました！
- 本取材は安全を考慮した十分な距離を確保し、感染予防策を講じた上で、実施しています。
- 本ブログ内の一部写真は、撮影のため一時的にマスクを外しています。
（左から順に1段目：ＩＴソリューション本部インフラ２部インフラ運用Ｇ グループリーダー 荒巻 良樹、デスクマネージャー 浅沼 祐輝、2段目：デスクマネージャー 山崎 重信、佐々木 武史）
キャリアの通信インフラを24時間365日守る! インフラ運用GでのLCOPへの取組みとは？
―― このたびは受賞おめでとうございます！ まずは皆さんのミッションや業務について教えてください
＜荒巻＞
ITS事業では、国内6,000万超のユーザーが利用するKDDIをはじめとしたキャリア・企業の通信インフラをIT技術で支えるため、ITエンジニアの技術者派遣、インフラ・システム運用受託業務などを行っています。私たちインフラ2部インフラ運用Gでは、KDDIより委託をうけ、法人通信系の運用・保守・監視業務のほか、お客様対応業務などを24時間365日遂行しています。
―― インフラ運用Gで業務品質向上活動にエントリーをされたのはどのような経緯だったのでしょうか？
＜荒巻＞
私たちのグループではKDDIの業務を行っていることもあり、日ごろから業務品質向上や改善活動への意識は高く、今回受賞したデスク以外でも業務品質向上の取組みが日常的に行われています。ですので、LCOPのエントリーの時期だから……ではなく、業務改善を継続して行った結果をエントリーしてみようか？という話に自然となりました。
＜浅沼＞
そもそもこの案件は2020年4月から当社運用に移管したことから始まったのですが、いままでの運用を踏襲するのではなく、自分たちがお客様にとって最適だと思うものをゼロから作り上げていき、より品質をあげていくのがミッションだとデスクメンバー全員、共通認識を持って取り組みました。結果として、コスト削減だけではなく一部業務の自動化による工数削減や効率化、お客様満足度の向上にもつながり、その功績を評価していただけたものと思っています。
～ 取組みと評価ポイント ～
＜取り組み＞
●SCCクラウドデスクの運用を当社に移管、他業務の技術支援業務のリソース共有による最適化をはかることでスケールメリットを活かしたコスト削減につながった。
●アラーム発生連絡業務の一部を自動化したことによる工数削減、効率化をはかった。
●運用移管後、お客様アンケート(10段階評価)の平均点を2.7pt改善し、お客様の満足度向上にもつながった。（移管前： 6.3）→（移管後：9.0）
＜評価ポイント（審査員コメント抜粋）＞
●アラーム発生連絡業務などを自動化し、年間約1,300時間もの大幅な工数削減を達成できたこと、自動化により人的ミスも無くなることなど、大変有意義な取り組みである。
●業務集約による工数削減のみならず、社員間の連携によるきめ細やかな対応を実現できた点が非常に素晴らしい。
●得てして大きいコスト削減が高評価を得ますが、本件のような身近な効率化がLCOPの本質である。
お客様が“幸せになる運用”とは――？突き詰めていくために、徹底的なヒアリングを実施
―― コスト削減だけではなく、お客様満足度の大幅な向上につながったとはすごい！ では、どのように業務品質を向上させたのか、そのプロセスを教えてください
＜佐々木＞
業務品質の向上とは“自分たちの運用を楽にしたい”とか”コストを下げたい”といった単純なことではなくて、エンドユーザーであるお客様に喜ばれる施策じゃないと本質的には違うと思っているんです。今回も運用を移管することが決まり、新たな運用を設計するにあたって考えたことは“お客様が本当に幸せになる運用とは？”という観点でした。
そんな観点のもと行ったのが、アラーム通知運用の見直しです。保守・監視業務では、トラブルや異常があった場合、電話でお客様にアラームを通知しますが、24時間365日の業務のなかでは、夜間にトラブルが発生することもあり、「こういった際の電話はお客様を疲弊させてしまうことにもつながるのではないか」と、お客様とコミュニケーションをとるなかで日々感じていました。
そこで、移管を機にお客様に徹底的にヒアリングを行い、アラームの通知方法を緊急度に応じた運用に変更。本当に緊急度の高いアラームのみ電話連絡し、そうでないものについては、メールで通知される自動化システムを提案。お客様にもご承認をいただき、現在ではこの自動化の仕組みがほかの多くの運用現場でも採用されています。
―― 正直、日々の運用業務で忙しいなか、お客様へのヒアリングなど、コミュニケーションを取るのは大変だったのではないですか？
＜浅沼＞
お客様対応業務は、サービス約款に沿った対応が基本となり、お問合せの内容も「困りごとの解消」が目的ではありますが、それぞれが対応業務のなかでヒアリングできたお客様からの「あらゆるご要望」を現場窓口のリーダー佐々木さんに集約していきました。対応担当者それぞれが“改善の視点“を常に持ち、お客様と接した結果として実現できたことだと思っています。
＜佐々木＞
お客様対応のほかにも、KDDIのお客様担当ＳＥと積極的にコミュニケーションを取りながら、ヒアリングをしていくことでより広い視点での意見を集約し、お客様や委託元のKDDIへ、今回の運用見直しという一歩先の提案にもつなげることができました。たくさんの意見を集約できたのも、デスク24名全員が取り組んでくれた結果です。
―― デスク全員の「お客様に貢献したい」という意識の高さ、そして日々の業務の積み重ねがつかんだ賞なのですね。それでは、受賞した率直な感想や、現場の反応などをお聞かせください。
＜山崎＞
お客様対応窓口は、電話やメールでの対応が主なので、お客様の笑顔が直接みられるわけではないですが、“ありがとう”という言葉につながるものであれば、やった甲斐があったとうれしく思っています。今回いただいた賞状と盾も現場に飾っており、窓口業務担当のほかサポートチームメンバーとも喜びを分かち合っています。
＜浅沼＞
今この瞬間も24時間365日体制で働いているメンバーがいて、そのメンバー一人ひとりの頑張りが実を結んだと思います。頑張ってきたメンバーを身近で見ていたので、率直に「メンバーの努力が報われて良かった」と思います。
お客様第一のマインドと改善の目を持ち、“通信“という社会インフラを最前線で守っていく
―― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
＜佐々木＞
クラウドサービスの運用に携わって10年経ちますが、「次世代の育成」が大きなテーマとなっています。特にゆくゆくはリーダーとなる新卒社員には、まずはお客様第一のマインドを持ち、お客様の声に常に耳を傾けながら業務にあたるように伝えています。今後もKDDIで日本の通信インフラを守っているという意識と自覚を持ち、最終的にはお客様を幸せにする活動ができるように指導していけたらと思っています。
＜浅沼＞
今回の案件は、いままで当たり前だったルールや当然のようにやっていた運用を見直すことで、新たな価値や効果を生んだ一つの好例だったと思っています。今後も、「どうしたらもっとよくなるか」と改善の目を常に持ちながら、いまの運用を当たり前だと思わずに改善活動を推進していきたいと思います。今年もエントリーできますよね？佐々木さん！
＜佐々木＞
もちろんです。今年も変わらず（笑）頑張ります。
＜荒巻＞
通信インフラを守るのは本当に大変な仕事です。お客様のために頑張っていることが、KDDIのサービス品質を守ることにもつながっており、今回のアラームの自動化一つをとっても、お客様のメリット「不要な電話を削減」を実現するだけではなく、「人的ミスの防止」「対応スピードの迅速化」など、サービス品質の観点でも大きな貢献を果たしています。通信インフラは生活の一部。万が一故障したら大変なことになります。そのことを考えると、この実績はとても大きいですし、今回のナレッジを他の現場にも共有していき、さらなるサービス品質の向上を目指していきたいと思います。
最後はインフラ2部 大江部長（写真左）も加わり全員で記念ショット！
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