コンタクトセンターを中心とするBPOサービス事業で、「カスタマーサクセス」の実現を支援 KDDIエボルバ 若槻 肇社長に聞く、新コーポレートメッセージに込めた意味

代表取締役社長 若槻 肇

KDDIグループの“NEXTコア事業”としてコンタクトセンターをはじめとするビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス事業を展開するKDDIエボルバ。右肩上がりの成長を続ける同社は、会社設立25周年を迎えたのを機に、新しいコーポレートメッセージを策定した。次の成長ステージに向けてビジネスモデルの変革と「価値共創企業」への進化を目指す同社は、新しいコーポレートメッセージにどのような意味を込めたのだろうか。同社が歩んできたこれまでの軌跡、新中期経営計画で掲げたビジョン、全社一丸となって推進したコーポレートメッセージ策定の舞台裏について、KDDIエボルバ 代表取締役社長 若槻 肇氏に話を聞いた。

※2021年12月1日~2021年12月24日に日経電子版広告特集にて掲載。掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。

コンタクトセンターを中心にBPOサービス事業を展開コンタクトセンターを中心にBPOサービス事業を展開

写真:若槻 肇

代表取締役社長

若槻 肇

国内のBPOサービス市場はどのような状況にあるのでしょうか。

若槻 顧客からの問い合わせ業務を外部に委託するコンタクトセンターの国内市場規模は、およそ1兆円と言われています。ここに財務経理・人事などのバックオフィス、顧客情報を管理するカスタマーリレーションマネージメント(CRM)、DXを推進するITアウトソーシングなどの領域を含めたBPO市場全体では、4兆円規模にもなります。

 この規模にまで市場が拡大した理由として考えられるのが、デジタル技術の革新による業務の高度化です。すべての業務を自社で対応することが難しいため、利益を生む自社のコア業務に経営資源を集中させ、それ以外の業務を経験値のある専門事業者へ委託して効率化を図ろうという企業が増えています。こうした構図がBPOサービス市場の成長を後押ししています。

そうしたBPOサービス事業を展開するKDDIエボルバは、どのような会社ですか。

若槻 KDDIエボルバは、コンタクトセンター事業と人材派遣事業を展開していたKDDIグループの「KDDIテレマーケティング」「KDDIテレサーブ」の両社が2004年に合併して設立された会社です。「エボリューション(進化)」と「バリュー(付加価値)」を合わせて「エボルバ」としたのが社名の由来になっています。

 当社のビジネスは、BPOサービスのなかでも特にコンタクトセンター事業が大きな比重を占めており、国内コンタクトセンター市場では五指に数えられるポジションにあります。またコンタクトセンターをはじめとするBPOサービス事業のほかに、お客さまのIT戦略を支援するITソリューション事業を展開し、2020年度の営業収益は1,000億円を超えました。中期経営計画では「価値共創企業への進化」をビジョンに掲げ、企業の事業活動におけるより上流へ参画する信頼されるパートナーを目指し、コンサルティング領域やソリューションラインナップの強化を図っていきます。

図:サービスラインナップ

コンタクトセンターを“プロフィットセンター”にコンタクトセンターを“プロフィットセンター”に

KDDIエボルバは現在、どのようなビジネスに注力しているのでしょうか。

若槻 KDDIグループでは「コーポレートDX」「ビジネスDX」「事業基盤サービス」の3つを“NEXTコア事業”と位置づけ、ビジネス全体の成長を目指しています。このうちの事業基盤サービスはデータセンター、コンタクトセンターが中心とされており、まさにKDDIエボルバの事業が含まれています。

 コンタクトセンターは労働集約型の業務であり、お客さまにとっては“コストセンター”という認識があります。しかしそこにとどまるのではなく、顧客対応で得た集積データを分析し、新しいサービスの開発やマーケティングにつなげていく“プロフィットセンター”にするという期待が高まっています。また、顧客に対するCX(カスタマーエクスペリエンス)を高めて顧客満足度を向上させたいというお客さまも増えています。

 そうしたお客さまからの要求に対し、オペレーターやエンジニアなど“人”の力と“デジタル技術”を駆使しながら実現していくことが、当社の使命だと考えています。そのためには、コミュニケーションを支えるシステム基盤やチャネルを拡充し、お客さまにとってより良い提案ができるようにする必要があります。さまざまな分野のパートナー企業と共創しながらBPOサービス事業の付加価値を高め、お客さまのカスタマーサクセスに寄与することを目指して事業課題解決に注力して取り組んでいます。

具体的にどのようなお客さまの事業課題解決に貢献していますか。

若槻 当社は、KDDIグループ向けにビジネス展開している会社だと思われがちですが、実は金融・エネルギー・流通などKDDIグループ以外のお客さまとも広く取引しており、その売上比率は4割を超えています。これまでの豊富な実績やサービス品質が高く評価され、お客さま側からお声掛けいただくケースも増えています。

 とくに最近は、最新のデジタル技術を活用したコンタクトセンターサービスやITソリューションがお客さまの事業課題解決に貢献しています。例えば、当社のAIチャットボットは、大手鉄道事業者、大手クレジットカード会社などに採用されています。また大手食品メーカーのECサイトは当社のボイスボット(AI音声自動応答サービス)を導入いただき、注文の音声自動受付を実現しています。バックオフィスの領域では、AI-OCR(光学文字認識機能)とRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用して大量の帳票処理業務を効率化した電力事業者の事例などがあります。

全社一丸となって策定した新コーポレートメッセージ全社一丸となって策定した新コーポレートメッセージ

KDDIエボルバは、新コーポレートメッセージ「すごくいいふつうを、つくる。」を策定しました。新コーポレートメッセージを策定することになった背景、メッセージに込めた意味について教えてください。

イメージ:すごくいいふつうを、つくる。

KDDIエボルバは、新コーポレートメッセージ「すごくいいふつうを、つくる。」を策定しました。新コーポレートメッセージを策定することになった背景、メッセージに込めた意味について教えてください。

若槻 KDDIエボルバには日本全国37拠点の事業所に約2万8,000人の従業員が在籍しています。その従業員全員が改めてベクトルを合わせ、同じ方向に向かって自分たちの存在価値を再定義しようと考えました。また、日本国内ではBPOサービスの認知度がまだまだ低いのが現状です。KDDIエボルバが何を目指しているのか、社会全体に広く理解していただこうというのも、新コーポレートメッセージを策定するに至った経緯です。

 「すごくいいふつうを、つくる。」は、事業を止められないお客さまに代わって業務を継続し、世の中の「ふつう」を支える私たちだからこそできる、よりよい未来をつくることであり、それを実現していくという従業員の総意を分かりやすい言葉で表現したものです。また、28,000人の従業員が持つ多様性を認めながら業務遂行にあたることが「ふつう」なのだという意味も込めています。

新コーポレートメッセージの策定には全社員が参加し、全社一丸となって取り組んだと伺っています。どのような狙いでこうした策定プロセスを取り入れたのでしょうか。

若槻 ベクトルを合わせるためには、策定プロセスから従業員が参加しなければ“ジブンゴト化”できないと考えました。そこで全社から策定プロセスに参画したいという従業員を募り、ワークショップを行いました。ワークショップには年齢も役職も異なるさまざまな従業員が参加し、自社の強みは何か、どのような姿になりたいのかといった議論を重ねたうえで新コーポレートメッセージの案を出し、アンケートをとるなどして決定しました。この経緯や過程は全従業員が知っているので、経営層から与えられたものではなく、従業員自らが考えたのだという納得感があります。この納得感が非常に重要だと思っています。

新コーポレートメッセージの策定を若槻社長はどのように受け止めていますか。

若槻 KDDIグループは「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します」という経営理念を掲げています。新コーポレートメッセージを通じ、お客さまにKDDIエボルバのBPOサービスを理解していただくとともに、社会基盤を支えるエッセンシャルワーカーでもある多くの従業員に幸福になってもらうために尽力することが私の使命なのだと決意を新たにしています。

写真:若槻 肇 オフィス写真:若槻 肇 オフィス

社会基盤を支えるKDDIエボルバ社会基盤を支えるKDDIエボルバ

2020年春からの新型コロナウイルス禍のなかでも、KDDIエボルバが提供するBPO事業は止まらなかった。止められないサービスを担っている。そんな責任感を、若槻社長は再認識したという。そのほか、高齢化や労働人口の減少、地方の過疎、IT弱者の増加など社会が抱えるさまざまな課題に対し、KDDIエボルバはBPO事業やITアウトソーシングサービスを通じて「解」を模索してきた。社会インフラを支える存在とはどうあるべきか。社員が参画して策定した新コーポレートメッセージ「すごくいいふつうを、つくる。」には、社会課題に寄り添い、支えてきた社員たちの決意が込められているのだろう。

写真:ワークショップ写真:ワークショップ

新コーポレートメッセージは、従業員が主体となったワークショップで策定された。