KDDIエボルバの新卒採用では、将来的に会社を牽引する役割を期待される「総合職」のほか、エンジニアとして専門性を発揮する「ITスペシャリスト職」、地域採用で各コンタクトセンターの発展を担う「事業所限定職」があり、将来描くキャリアプランにあわせた選択肢があります。
本ブログでは、新たに93名を迎えスタートしたITスペシャリスト職の新入社員研修の模様を複数回にわたってお伝えします。Vol.2は、アプリ開発、インフラ、システムエンジニアそれぞれの技術領域に分かれてテクニカルスキルの基礎を学ぶ「テクニカルスキル研修編」です。ぜひ最後までご覧ください！
＜初めての実機演習での一コマ 無事にネットワーク構築ができたのでしょうか！？＞
■ 「自律自走エンジニア」の土台をつくる新卒研修 ～テクニカルスキル研修カリキュラム概要～
ITスペシャリスト職の新卒研修は、４月から7～8月の本配属まで約３～4か月にわたって実施しています。社内外のメンバーと協働で仕事を遂行する当社のエンジニアに欠かせない「社内外の関係者と信頼関係を築く力」を習得するビジネス・ヒューマンスキル研修のあとは、各技術領域に分かれてテクニカルスキルの基礎を学ぶ「テクニカルスキル研修」に入りました！
テクニカルスキル研修では、独自のeラーニングシステム「Evo-Tech-Learning」や、「Ping-t」「Udemy business」などの外部の学習ツールでのリモート学習と、エンジニア講師による集合研修、チーム演習、実機演習でのアウトプットをハイブリッドに組み合わせ、テクニカルスキルの習得と、ITパスポート、基本情報、CCNAなどの資格取得を目指します。
＜KDDIエボルバ独自のeラーニングシステムは、自身のレベルや学習ペース、理解度に合わせた学習が可能＞
ここからは、ほんの一部とはなりますが、テクニカルスキル研修の模様をご紹介します！
■ゼロからの開発を体験し、開発者マインドを養成する ～アプリケーション開発研修～
今年度のシステム開発研修では、「ゼロからの開発を体験する」「Git※1・AWS※2のワークを充実させる」を方針に、配属後に必要な技術の習得に加えて「成果思考の確立」や「チーム作業による責任感の醸成」などの開発者マインドの養成を図るカリキュラムが組まれています。配属前の開発スキル指標の目標初級技術者レベル（マニュアルや手順書、上位者の指示・指導のもと、アプリケーションの構築が独力で可能）を目指し、２０名の新卒エンジニアが研修に挑みました！
- 1:プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システム
- 2: Amazon Web Servicesの略。Amazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称
４月に行われた「AWS研修」の初日を取材。この日は、AWSの基礎研修として、AWSが提供しているロードバランシングサービス、ELB（Elastic Load Balancing）について、実際の運用ケースに基づいた負荷分散の概念や手段、止まらないサービスを目指すためにAmazon EC2 Auto Scalingを組み合わせてサービスがつくられることなどを学びました。
続いて、ELBのなかで選定頻度が高いALB(Application Load Balancer）を使って実際に設定を行う演習にチャレンジ！演習のお題は全部で７つ。設定情報と構成図をみながら仮想ネットワークとEC2を構築し、接続確認まで行います。レベルがだんだん上がっていき、最後のお題はかなり難易度の高いものとなりました。
＜設定情報と構成図を見ながらAWSの操作画面上で構築していきます SSH接続やHTTPアクセスができるか、確認作業まで完了すればOK!／最後のお題は設定も構成図も超複雑！＞
演習時のルールは「わからなかったらまずは自分で調べる」こと。講師からは「AWSは日々進化していくサービスです。画面が変われば手順も変わることも日常茶飯事。技術を教えてもらうのを待っていたら成功しない。皆さんは自分で学びとっていくことを忘れないでください。やり方がわからなかったら調べて、検証して、やってみる。そのサイクルが定着すると、皆さんのこれからのエンジニア人生がとても楽になります」と伝えられました。
研修の最後には、理解度や作業報告、今後の課題・目標を講師と共有する振り返りが行われ、AWSの学習に関して意欲的な目標がたてられていました。
- 講師の方以外にも同じチームメンバーの助けもありQ5まで作成することができました。AWSの機能についてもっと学んでグループの誰かが分からないことがあったとき、即座に答えられるようにしたい
- AWSの講義を受け、記憶が新しいうちに資格を取りたいと思い、AWS 認定クラウドプラクティショナーを取得するという目標を立てました。達成のために計画を立てて取り組んでいきたい
■インフラエンジニアの『実機デビューの日』をレポート ～ネットワーク研修～
続いて、インフラエンジニアの研修を取材。この日は、Cisco社製ルータと端末を用いた簡易ネットワークの構築に初挑戦！機器同士が通信するために必要な要件、IPアドレス、LAN、WAN、NATなど、ネットワーク構築に必要なことを学び、いよいよ二人一組での実機演習に入りました！
＜ITS人財開発Gのエンジニア講師がインフラ構築・運用の現場経験に即した話を交えながら、ネットワーク構築の基礎を教えます＞
今回取材したクラスの大半が実機に触るのは初めてということもあり、事前にソフトウェア上でパケットトレースをシミュレーションのうえ挑みましたが、いざ実機をつないでみるとその通りにはいかず、そこかしこで悪戦苦闘の声が・・・。2人で知恵を出しあいトラブルシューティングを行い、時には近くのチームの助言をもらいながら、全員がルータを経由したPC間の疎通を確認！無事にネットワーク構築デビューを果たすことができました。
振り返りでは「シミュレーターと実機の差を思い知った」「初歩的なところから間違ってしまった」などの共有があり、講師からは「研修中の失敗は全て学びです。今のうちにトラブル・失敗をたくさん経験しておくことが、現場での柔軟な対応につながります。今はCiscoのルータのことを学んでいても、現場では別ベンダーのルータを取り扱うこともあります。どのような状況でもまずは自分で調査し、対処法を考えられるようになってください。」と伝えられました。
■ITエンジニアのジレンマ『業務と資格取得の両立』をアイデアソンで解決！ ～システム開発研修～
システム開発を行ううえで、クライアントの要件をパートナー企業など関係者に伝えたり、システム設計の要件定義をクライアントと議論しながら固めていくなど、コミュニケーションスキルは超重要。この日の研修では、チームで課題や問題点を洗い出し、解決に向けたアイデアを出し合いながら、時間内に資料にまとめて発表する一連のスキルを鍛える『アイデアソン』に挑戦しました！
＜システム開発に長年携わった経験を持つITS人財開発Gのエンジニア講師より、現場でも使われるアイデアソンのやり方を伝えました＞
▼アイデアソンテーマ：業務と資格取得の両立
ITエンジニアとして自身のスキルやナレッジを証明できる資格取得は重要なミッション！しかし、多忙な業務と資格取得の両立はベテランエンジニアでも頭の痛い問題です。さて、両立するためにはどうすればよいでしょうか？
『土日祝日はお休み』『通勤時間は1時間』など、ターゲットとなる人物像の共通条件を確認し、ITパスポート試験合格を果たすためのアイデアを纏めていきます。新卒社員たちも現在それぞれ目指す資格取得勉強の真っ最中！ということもあり、課題の洗い出しはとてもスムーズ。課題に対する解決策を検討し、プレゼン資料にまとめていきました。
発表では、課題は「人それぞれ」として、「夜中にできない人」「一人では集中できない人」など、ケースに応じた解決のアイデアを提示するチームや、以下のように普段の生活から派生させたユニークなアイデアが続々と発表されました。
- 2人ペアでお互い進捗を確認し合いながら勉強を進め、相手が頑張っていたらご褒美をあげる
- 勉強の敵、スマホを封じるために集中動画を流しながら勉強する
- モチベーションを高めるために勉強期間を2か月に区切って集中的に行う。ときにはチートデイのように何をしても良いご褒美時間を設ける
＜最後は発表内容が良かったチームに投票！良いとおもったポイントを書き込みます＞
講師からは「皆さんも今、研修と資格取得の両立に頑張っている最中だと思います。今日出たアイデアはそのまま皆さんの学習にも使えるし、今日のワークで使った問題抽出やアイデアを出しあう手法、役割分担をしながら発表資料を時間内に仕上げた経験、発表するスキルを今後の研修や仕事につなげていってほしいと期待しています。」と伝えられました。
こうして、ヒューマンスキルからテクニカルスキルまで、さまざまな講義と演習を繰り返し行いながら、自ら学び、自ら成長する『自律自走エンジニア』を目指し、着々と成長を遂げている新卒社員たち。エンジニアとしてのスタートラインに立った93名！これからの活躍がとても楽しみです！
